今回は福島県本宮市と、これまで紹介しきれなかった三春町の姥神像を
紹介したいと思います。
・本宮市稲沢前田地区
稲沢市前田の薬師堂境内にある姥神像
本宮市の稲沢前田地区の薬師堂境内に姥神像があります。石碑石仏がまとめられてあるので、はっきりとはわかりませんが、堂の外にあるため、境界―姥神型として祀られたのではないでしょうか。
・本宮市和田作田地区
本宮市和田作田の民家奥の裏山にある姥神像
同市和田作田地区、民家奥の裏山の上に姥神像があります。堂などはなく他の石碑石仏と一緒に祀られています。これもはっきりとは言えませんが、置かれた場所は山の中腹ではなく、さらにその場所から奥に、他に祀られたものがあるようには見えないため、本尊―姥神型として祀られたのかもしれません。
・三春町安養寺
三春町斉藤安養寺にある姥神像
その37、滝桜で有名な三春町の姥神像をいくつか紹介しましたが、ほかにもまだあります。まずは同町斉藤地区の安養寺です。境内に上る階段横にあり、参道の入り口にあると考えられますので、境界―姥神型として祀られたと考えられます。
・三春町沼沢子安薬師堂
三春町沼沢子安薬師堂にある姥神像
三春町沼沢地区の子安薬師堂に姥神像があります。ここは大同(806~810)年間に開基されたと伝わります。本尊の薬師如来坐像は安産や子安に霊験があるとされ、古くから信仰を集めていたとのこと。堂の手前、参道途中にありますので境界―姥神型として祀られていたと考えられます。
・三春町上舞木小峰稲荷神社そば
三春町上舞木小峰稲荷神社そばの姥神像
同町上舞木の小峰稲荷神社そばに姥神像があります。神社への参道入り口に、他の石仏と一緒に置かれ、その中には石造の堂もありますので、稲荷神社とは別に祀られたのかもしれません。堂に入っていないことと境内にあることから境界―姥神型と思われるのですが、判別するのは難しいです。
・三春町楽内金毘羅神社
三春町楽内金毘羅神社の奪衣婆像
同町楽内地区の金毘羅神社に奪衣婆像があります。奥の院へ向かう参道階段の途中にあるため、境界の意味で置かれた可能性もありますが、外にも多数の石仏があり、近くに閻魔像もありますので、地獄信仰の奪衣婆として祀られたものと考えられます。
次回に続く・・・
寄稿文
廣谷知行(ひろたに ともゆき)
姥神信仰研究家
※画像並びに図表等は著作権の問題から、ダウンロード等は必ず許可を必要と致します。
発行元責任者 鎹八咫烏(ZIPANG TOKIO 2020 編集局)
アーカイブ リンク記事をご覧ください。
日本三大桜とされる「三春滝桜」菜の花と饗宴です
その地名は春に梅、桜、桃の花が同時に咲くことから名付けられ、なかでも桜については、山梨県の神代桜、岐阜県の淡墨桜とともに日本三大桜とされる樹齢1,000年を超える三春滝桜があり、開花時期には多くの観光客で賑わいます。
さて、福島県も姥神像が多い地域です。そのなかで、その35※、36※で群馬県や静岡県日金山における墓地との境界に祀られた奪衣婆像を紹介しましたが、三春町にも同じように祀られているものがありますので、それらの中からいくつかご紹介します。
福島県三春町
福島県の中通り中部にある田村郡三春町は、人口約1万7千人、面積約73キロ平米の小さな町です。
0コメント